四六判・並製カバー装・334p・2000円(税込)
2010年5月15日発行(第四版)/ISBN978-4-8129-0618-7
満開の花を手にして死にたくなし
死の影をこばみ仰ぎし月おぼろ
キャラメルで蠅と別れの茶をのんだ
大阪で俳誌「大樹」を主宰し、生活俳句を唱えていた北 山河が、
大阪拘置所を訪れて、12人の死刑囚にはじめて会ったのは、
昭和24年2月26日のことであった。
終日、死を見つめ死を考え、悪夢のような自分の犯行を思い、
神にも仏にもキリストにもぶつけようのない苦しみに悶える彼ら死刑囚。
この生命の痛切さにふれた北 山河は、彼ら死刑囚のすべてを、
17文字のぎりぎりの表現の中に叩きこみ燃焼させることに、自己の生涯を賭けた。
_刊行者のことば・カバーより
