四六判・上製函入・p212・定価3080円(本体2800円+税10%)
2025年12月20日発行/ISBN978-4-8129-1165-5
装幀・髙林昭太
この句集の折々に詠まれた多くの蚕の句は、蚕を心から慈しみ一家総出で働いた、所沢の歴史の記録・原風景として残したい句である。
(「雨蛙」主宰 鈴木すぐる 序文から)
蚕来て早起き夫にみな倣ふ
蚕来て夫は蚕飼の顔となり
春光に目覚め地下足袋確と履く
化粧とはまあ暑きこと顔洗ふ
虫食ひの間引菜くれて喜ばる
寒の雨喜ぶわれは農婦たり
夜桜や宮司の笛のひびく杜
日々濯ぐ汗の野良着の褪せにけり
あれこれと夢を持ちゐて春を待つ
老いてなほ昼寝が大事十五分

