四六判・上製・p212・定価2970円(本体2700円+税10%)
2025年11月3日発行/ISBN978-4-8129-1163-1
装幀・髙林昭太
第一句集
聖五月かくやはらかき命抱く
著者の伸びやかな感覚や詩情は、読者に快く響いて来るだろう。
〈やはらかき命抱く〉は、著者の思いや人柄が如実に表わされていて、表現の極致と感心するばかりだ。
中澤康人(「序」から)
◎自選十二句
天空へ裸木自由自在なり
稲抱きて稲の余熱に抱かるる
人よりも神々多し大焚火
鬼やんま戻るを待ちぬ石となり
春泥の明るさをもて労働歌
あめんぼの水の輪ひとつづつ宇宙
百連凧諏訪の風神鳴りどほし
冬芽立つ未来はいつも掌中に
玉繭のいのちの月日母郷なる
踏青や飛びたき帽子とばしつつ
産声は大きな未来新樹光
鰯雲ていねいに切る夫の髪

