四六判・並製カバー・136p・定価2970円(本体2700円+税10%)
2024年12月1日発行/ISBN978-4-8129-1157-0
装幀・高林昭太
『くちびる』鈴木わかば
池の面の雲分けて発つボートかな
わかばさんの最大の強みは、俳句の基本の写生を十分に修得されていることにある。この句集はいわば俳句の写生集なのである。
柏原眠雨 「序」から
◆第一句集
◆自選八句
一畳の画仙紙に座し初硯
梅東風や玉とかがやく塩むすび
搔き廻す銀のマドラー利休の忌
夏霧や惨禍の海へ向く墓標
バーに置くだるまのボトル桜桃忌
津波来し沖へ流灯のぼりゆく
ジャズ祭に古着市立つ残暑かな
浴槽に母のヘアピン寒に入る


