B5判変型・上製本函入・136p・4200円
1983年6月14日発行/装幀・山本美智代
私は、ひとから石の歌人、などといわれたことがなんどとなくある。
言われてみれば、たしかに石の歌が多い。そこで、きりのよいところの
百首ぐらいを選んで、と思ってさがしてみると、
それどころの数ではなさそうになっていった。のぞましいのは、
石の歌だけを列挙して、なにもいい添えないことなのだが、
それを知っておりながら、石がかたいからではないが、
どうもかたくるしい、そっけないものになるのではないかと思われ、
すこしその折々の時代背景なり、生活の環境、さらには心情状況なりを
語りそえながら、石の歌をひろっていってみたいと思う。_まえがきより
