四六判・上製・p178・定価2970円(本体2700円+税10%)
2025年10月31日発行/ISBN978-4-8129-1162-4
装幀・髙林昭太
第一句集
優歌さんが京鹿子に入会されたのが五十五年前。先師・丸山海道より薫陶を受けられ、海道より俳号「優歌」を賜ったと聞く。後五年で京鹿子入会より満六十年を迎えられるが、人間でいうところの「華甲」となる。奇しくも句集名「華のしづく」は、華甲の華につながってゆく。
――「京鹿子」主宰 鈴鹿呂仁 「序」から
鈴鹿呂仁抄出 十句
点滴の向う菜の花私がゐる
寒の水ごくんと吞めば火の匂ひ
水中花ガラス越しなる片想ひ
白牡丹朱に交はれば指疼く
曼珠沙華一揆のやうな段がまへ
つばき挿す部屋のまん中空いてゐる
やはらかきガラスの吐息冬の蝶
三輪車もう陽炎に融けてゐる
翅たたみをろがむ形冬の蝶
終章は淡きむらさき大花野

