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『花あかり』荒木久子

『花あかり』荒木久子

四六判・並製カバー・142p・定価2750円(本体2500円+税10%)
2024年12月10日発行/ISBN978-4-8129-1161-7
装幀・渡波院さつき


『花あかり』荒木久子
毛虫焼く女に迷ひなかりけり
この毛虫の作品は、「藍生」で黒田杏子先生にも評されていた作品である。
この女のように、荒木さんは迷いないご信念のある方である。
俳人として、この世のあらゆる美や真実を、俳句作品にとどめるその力量に、私は敬意を抱く。

名取里美(「序」より)


第一句集

自選十二句
ほろ酔ひの父を読み手に歌がるた
子の笑がほ泣きがほ雛すましがほ
繕うてやりたや享保雛の裾
通院の母に寄り添ふ朝桜
花御堂まで花びらの水たまり
麦秋や二夫に仕へし母の事
地震の後鳴かぬ蚯蚓となりにけり
毛虫焼く女に迷ひなかりけり
迷ふ事なき一本の道月見草
西瓜持ち体重計に乗つてみる
新涼や川をテーマのコンサート
あの父の銀座トラヤの冬帽子

『花あかり』荒木久子